1.吉野川下流域の高地蔵
どうしてこんなに高い台座にお地蔵さんがいるのでしょうか?
吉野川下流域のかつての氾濫原では,俗に『高地蔵』さんとよばれる台座の高いお地蔵さんが堤防の近くや川岸のあちこちにみられます.
その数なんと,250体.このうち台座高が1m以上の高地蔵は190体もあったそうです.
上記の写真のお地蔵さん(徳島市国府町東黒田)は高さ4.19mの高さと,徳島県内でも一番高いお地蔵さんです.
『洪水でお地蔵さんが水に浸かったり,流されたりしては申し訳ない』という信仰心からつくられたといわれています.
高地蔵の台座は,土地が低く,浸水が大きかったと考えられる場所では高くなっています.
つまり,高地蔵が高いほど,園地区の水害は大きかったということになります.
高地蔵は十分な堤防が無く,
幾度も洪水に見舞われた江戸中期に中下流域で特に多く建設されている.
暴れ川に苦しめられ,水害から逃れたい,救われたいという強い願いから住民たちにとって高地蔵は,かけがいのない信仰の対象だったと考えられている.
その他の高地蔵については,高地蔵探訪ガイドブック(https://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/river/profile/guide/takajizo/takajizo.htm)
に詳細がまとめられている.
参考資料
1.国土交通省四国地方整備局(2008)先人の教えに学ぶ四国防災八十ハ話,pp.18-19.
http://www.ccr.ehime-u.ac.jp/dmi/web88_0807/download/img/all.pdf
2.四国防災共同教育センター(2015)四国の防災風土資源調査方向書,pp.16-19.
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