昔から守られてきた地域の松原

 高知県黒潮町には約 400 年前から植樹が始まり,その後補植が続けられ,地域の人々が守ってきた歴史のある入野松原と呼ばれる松原があります.

 入野松原は防潮,防風の機能を持っており,その役割を知っている住民たちから,長い間大切にされてきました.1707年の大津波の際には入野松原は流失してしまいましたが,住民の手によって再び植樹された過去があります.

 そんな入野松原ですが第二次世界大戦時に過去最大の伐採の危機に直面します.昭和 20 年 6 月にアメリカ軍の上陸に備え,基地を構築するための資材として松の木を伐採せよと国から命令が下されたのです.しかし,当時松原を管理していた堀内雍喜という人がその命令を拒否して,入野松原を守り抜きました.その史実が石碑によって伝承されています.

 防災の役割を持つ松原が守られたことで,終戦直後に高知県を襲った枕崎台風や,昭和南海地震の被害を最小限に抑えることができたといわれています.地域に残された松原の役割を理解し,保護していくことの重要さがこのお話から伝わってきます.

四国防災八十八話倶楽部

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